「ヒトガタ」拝見して参りました。
舞台の内容少しネタバレ入ります。
ご了承下さいね。
日常生活に起こりうる内容。
同じ屋根の下で生活しても感じ取る事は様々。
日々の生活に、少しの葛藤・悩み。
人の生と死。
親子関係・隣人関係。
確かに、安田顕さんが言っていた通り
「ここで泣けとか。ここで笑え」と言う物ではなくて
自然に、しかもジワリジワリと切なく自然な涙がこぼれた。
そう、毎日の生活でも誰にも言えない悩みとか。
実は昔から引きずっている悩みとか。
自然にこの舞台を観ていて思い出される。
だから、「ここが切ないとか、ここが悲しいとか」と言う次元では無く
観ている人がそれぞれリンクする所に涙が出るのだと思う。
淡い光にゆっくりと揺れる灯の様な。
激しい炎とかでなく、何処か懐かしい様な
家族全員で、その揺れるランプの灯を見つめて
「私は実はこー思っていた」
「俺は本当はずっとこの事に悩んでいた」とか
灯を見つめて家族でゆっくりと会話をしている様な舞台。
そう、普段の日常がどれだけ様々な悩みが有っても
家族は家族・・・何れ、息子の奥さんが子供を身ごもり。
家族の誰かが他界する。
その繰り返しでも、家族は存在して。
誰も皆、悩みを持っている。
しかし、何れは和解する時が来る。
それが家族のあり方なんだと・・・この舞台を観て思った。
それが生きている証で有り、家族の証。
難しく捕らえる事無く自然に話しに入り込める。
舞台のセットも凄くシンプル。
客席も狭くてね、そうそう大きい舞台ではないけれど
この舞台には居心地が良いくらいの広さ。
故に、この狭さと空間が余計に親近感が湧くし
入り込みやすい。
凄く、心に引っかかる物が緩和された舞台でした。